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窯 元 2012.4.6

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益子焼の窯元「株式会社つかもと」を関教寿さんの案内で訪問しました。「つかもと」は、「とちぎの技」「とちぎの匠」プロジェクトのメンバーです。
「つかもと」は益子で最大の窯元です。写真001のように登り窯もあれば、写真002のような巨大なガス窯もありました。

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量産工場では、大塚典子さん(手前)と田中慶孝さん(奥)が型モノの皿を制作していました。

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田中さんが使用している機械は、型の上に乗せた粘土を自動的に削り取ることができます(写真004)。一見作業は簡単そうに見えますが、型の上に粘土を乗せるのは自動ではありませんから、粘土の量や粘土の乗せ方などには熟練が必要だと思います。

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大塚さんが使用している機械(写真005)は、手動式。型に粘土を乗せるところまでは、写真004の機械と一緒ですが、お皿の内側を削り取るゲージも、手で加減しながら操作していました。とてもプリミティブな機械ですが、自動化されていないぶん、ゲージを交換するだけで多様な種類のお皿の成型にすばやく対応できるように思います。その代わりに、さらに熟練の技が求められるでしょう。

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型は石膏でできています。鋳物や樹脂のインジェクション成型などに使用される型とは異なり、一度に量産する数と同数の型が必要です。つまり型も量産されている。それが他のモノづくりと異なるところかもしれません。

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成型された器を乾燥させるスペースは、古い木造建築の中にありました。差し込む光が素焼き前の器を柔らかく包み込んでいます。人がいないことが似合う場所のように思いました。








もちろん、ロクロでも量産しています。この日は加藤充俊さんがマグカップの本体を制作していました。

こちらは型モノと違って、手技勝負です。同じ形を素早く何個も制作するためには、技を磨くだけでなく知恵も使う必要があります。加藤さんは様々なゲージやヘラを自作していました。必要な機能を満たすための最低限の材料を使って、素早く作られたことが伝わる道具類にクレバーな魅力を感じます。

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加藤さんの隣では、吉田瑠里さんがマグカップのハンドルを取り付ける作業をしていました。
写真011は、この作業に用いる道具類です。先端が木の実のような形状の道具は、ハンドルの付け根をならすために加藤さんが工夫して制作したそうです。なんと、材料はストッキング。身の回りにあるモノの有効利用ですが、常に知恵を絞るためのセンサーが機能していないと創造できないデザインでしょう。

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本巣秀一さん(写真012)とは、6月のインテリアライフスタイルで発表する器を一緒にデザインしています。プリミティブだが、仕込みに手間のかかるデザインをリクエストしています。本巣さんがふるいを洗っているのはそのためです。

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焼き上がった陶器類(写真013)を見ていると、焼き物はパンづくりに似ているような印象を持ちました。

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陶器もパンも、生地をこね、型や手で成型し、焼き上げます。作るプロセスが非常に似ている。陶器でパンのようなカタチを作る、あるいはパンで器を作るといったことを試したくなります。モノづくりという観点において、プロダクトと食べ物の境界はないように思います。とすれば、料理をするようにプロダクトをデザインすると面白いかもしれません。