SAAT DESIGN INC. 2017-07-28 chronofileに「pillow」を追加しました。

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FIREBIRD 2013.4.1

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火ばさみと火掻き棒の機能を持った薪ストーブ用のツール、FIREBIRDが発売されました。(関連記事:works[FIREBIRD]

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FIREBIRDの鋭いくちばしを薪に刺してひっくり返したり(001)、薪をつかんで位置を変えたり(002)、熾きをつかんで移動させたり(003)、ヘッドで熾きを砕いたり(004)することができます。

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薪ストーブや暖炉で使用できる他、焚火やバーベキューなどの野外料理で薪の位置を調節したり、熾きを移動させることにも使えます。

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FIREBIRDのヘッド部。バーリング加工で作った目の裏面に意図的にバリを作り、薪に食い込むよう工夫しています。くちばしのカーブが薪をホールドし、目が薪がくちばしの中で回転するのを防ぐという仕掛けです。

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最も苦労したのがこのバネ部です。男性でも女性でも握りやすく、強度もあるバネにするために、形状や熱処理の方法を試行錯誤しました。結果的に、フックにも掛けやすい形状になりました。問題を解決した結果、思いもかけなかった利点が生まれる。デザインの面白さの一つです。

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fireside_house(8x5).jpg009:ファイヤーサイド株式会社

FIREBIRDは、ファイヤーサイド株式会社の社長、ポール・キャスナーさん(008)と開発しました。
ファイヤーサイド株式会社は、バーモンドキャスティング社の日本総代理店。つまりポールさんは薪ストーブのプロ中のプロ。道具へのこだわりは徹底しています。見た目はもちろんのこと、使い勝手、材料や生産方法、そして価格に至るまで妥協しません。尺八の奏者でもあるポールさんは、伝統的な日本のモノづくりに興味を持っており、薪ストーブのツールを日本的な考え方や方法で作りたいと考えた。それがFIREBIRD開発のきっかけです。

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FIREBIRDは、デザインワークで使うピンセットをヒントにデザインしました。要は指先の延長の道具。ここで重要なのは指先にあたる刃先のカタチです。色々なカタチが考えられますが、シンプルなほうが狙った獲物を外さないことに気づきました。鳥のくちばしのようなカタチになったのは必然だと思います。

papermodel(8x5).jpg010:Copyright(C) SAAT DESIGN INC.

上の写真(010)は、初期のペーパーモデルです。当初はL字のパーツ2本を板バネで繋ぎ、ちょうど日本の鋸(のこぎり)のように竹の皮で締め付けることを考えていました。
試作品は、スタジオの薪ストーブで使い、使い勝手を実感しながら改良を加えていきました。試作品の不具合の解決では、ファイヤーサイド株式会社のポールさんと、金属加工メーカー、株式会社ヨウホクの北林元さんの、プロの使い手と作り手の様々なアイデアに助けられました。

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完成したFIREBIRDは、黒染めで仕上げました。黒染めは、金属の表面に酸化皮膜をつくり赤錆を防ぐ防錆処理。しっとりとした黒色が美しく、色がはがれることもありません。

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南信熱錬工業(8x5).jpg013: Copyright(C) SAAT DESIGN INC.

FIREBIRDの企画・販売は、ファイヤーサイド株式会社、製造は、株式会社ヨウホク(013)、黒染め処理は、有限会社南信熱錬工業(014)で行っています。
この3社は全て長野県の企業です。つまりFIREBIRDのもう一つのテーマは、長野にモノづくりの火をつけることです。

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FIREBIRDは、身体と心を温める炎をクリエイトできる道具

薪ストーブがブームなのだそうです。311の震災以降、エネルギーの使い方への感心が高まったからかもしれません。間伐材の利用という意味ではエコでもありますから。

しかし実際に使っていると、部屋全体がムラなく暖まり、ずっと温泉に入っているような心地よさが薪ストーブの最大の魅力だと思っています。身体が喜んでいるのがわかる。そしてもう一つの楽しみは、火が眺められることです。火を見ていると、不思議と心も温まる。つまり、「薪ストーブは身体と心を温める道具」だと思います。

FIREBIRDを使うと、薪や熾きを思いのままにコントロールできます。つまりFIREBIRDは、「身体と心を温める炎をクリエイトできる道具」と思っています。

【 注 記 】
Copyright(c) SAAT DESIGN INC.表記がない写真は、ファイヤーサイド株式会社に提供頂きました。
無断転用しないようお願い致します。