kicca 2014.6.1
001:photo by Norihisa Seki
写真001は、陶器製のオーナメント『kicca』です。制作しているのは、益子焼の株式会社つかもとの陶工、本巣秀一さん(写真002)。
本巣さんは、栃木県の伝統産業振興プロジェクト「U」のメンバーでもあります。
002:Copyright(C) U Tochigi Design, All Right Reserved
本巣さんには、2012年に土色を活かした器『DOKI』を制作して頂きました。『DOKI』の湯呑み茶碗(写真003)は、子供用の飯椀に見えるカタチをコンセプトに私が図面を描きましたが、飯椀(写真004)は、株式会社つかもとの伝統的なカタチをそのまま活かしています。
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003:Photo by Seiji Himeno
004:photo by Norihisa Seki
本巣さんが働いている株式会社つかもとは、益子最大の窯元です。
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(株)つかもとには、登り窯(写真006)はもちろんのこと、巨大なガス窯(写真007)などがあり、陶器の大量生産が可能な設備が整っています。
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本巣さんの仕事の大半は、『DOKI』をはじめとした器類の制作ですが、本巣さんの類い稀な造形センスを活かして欲しいという思いから、「器のような機能はないが、一目見ただけで欲しくなるプロダクト」の制作をお願いしました。
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その結果生まれたのが『kicca』です。当初は、花器のような機能性を持たせたいという本巣さんの要望もありましたが、潔くカタチだけで勝負することに納得して頂いて完成しました。
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『kicca』が誕生するまでのデザイン・プロセスにおいて、本巣さんと私の間にスケッチや図面のやりとりというものが存在していません。本巣さんの試作に対する私や『U』の作り手の方々からの率直な意見を、本巣さんが取捨選択しながら試行錯誤を繰り返しながら作り上げたプロダクトです。
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『kicca』は本巣さんが花びらのパーツを一枚一枚組み合わせて制作しています。そのため一つとして同じ形はありません。しかしどの『kicca』も魅力的です。全て欲しくなる魅力があります。それは本巣さんが頭で花の形を考えて制作しているのではなく、身体が覚えている花の記憶を素直に顕現化できたからに違いないと思っています。
012:Copyright(C) U Tochigi Design, All Right Reserved
『kicca』の制作には手間がかかるため、6月4日(水)〜6日(金)まで東京ビッグサイトで開催されるinteriorlifestyleで展示できる数はそれほど多くありませんが、ぜひ現物をご覧頂きたいと思っています。